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通常シネマグラフを作るためには、動画と静止画の素材が必要です。しかし今回ご紹介する「PhotoMirage」は、普通の画像(静止画)のなかに動くアニメーションを盛り込めます。新しいコンセプトをもった、シネマグラフアプリです。どういった仕組みで動画が完成していくのか、今回は詳しく解説していきましょう。
PhotoMirageとは、ソースネクス社が販売しているシネマグラフ作成用PCアプリです。静止画からアニメーションを作り出せる特徴をもっています。簡単な操作で躍動感のあるシネマグラフが作れることから、今注目アプリのひとつです。
シネマグラフは画像の一部だけを動画にする手法のひとつです。動いているシーン以外の画像は静止画であるため、独特の質感を作り出せます。ノスタルジックな雰囲気やファンタジックな世界観を演出できるため、芸術的な画像を作り出す際にも利用されます。
シネマグラフのファイル形式はGIFであるため、GIFアニメーションと同じ分類に入るのです。ただし通常のGIFアニメーションは、複数の画像を組み合わせた「動画」です。シネマグラフと比べると性質は違うものとなります。通常は同一のものと考えて問題ありません。
SNSの発達によって、動画や写真といった素材は当たり前となりました。より芸術的で幻想的なものが好まれるようになってきています。そういったニーズを満足させられる手法のひとつが、「シネマグラフ」です。
シネマグラフは動画の代わりに使われることも多く、動画データに成り代わる「新しい素材」といえるでしょう。
PhotoMirageでは動かしたい部分の指定・固定したい部分の固定、プレビューで確認という3つの工程のみです。簡単にシネマグラフを作成できます。非常に簡単な工程であるため、操作で困ることはほとんどないでしょう。
「JPEG・GIF・PNG・BMP・TFF・RAW」の読み込みに対応し、「WMV・MP4・GIF」の書き出しに対応しています。ほとんどの動画データを読み込み可能です。また各SNSに適した書き出しにも対応しているため、柔軟な編集が可能です。
1. https://www.photomirage.io/en/ からPhotoMirageの無料版をダウンロードします。※購入したい場合は、ソースネクスト社のHPから直接購入しましょう。
2. 「PhotoMirageInstaller.exe」というファイルをダウンロードしたら、ダブルクリックでインストーラーを起動させます。
3. インストール画面が開いたら、「エンドユーザーライセンス契約に同意します」にチェックを入れて「次へ」をクリックしましょう。
4. インストール先を選択して「インストール」をクリックすると、ダウンロードが開始されます。
5. インストールが完了するとユーザー登録画面が出てくるので、手順に従って登録作業をおこないます。登録が完了すると、以下のようなメールが送られてきます。
6. デスクトップにアイコンが表示されていればインストール完了です。※無料トライアルはこちらから利用できます。製品版の購入の際は、日本語サポートがしっかりしているソースネクスト社がおすすめです。
ここではPhotoMirageにおける、実際の使い方を解説していきましょう。
PhotoMirageでは動画データは必要ないため、動かしたい静止画を用意すればOKです。画像によっては思いどおりに動いてくれない可能性もあります。同じ効果を得られる写真を、いくつか準備しておくとよいかもしれません。
1. 「PhotoMirage」を起動すると「はじめに」画面が表示されるので、チュートリアルをみられます。
2. 「はじめに」を閉じると、画面中央に「開く」ボタンが表示されます。クリックして任意の画像を選ぶか、画像をドラッグ&ドロップしましょう。
3. 画面左にある「アニメ(紙飛行機アイコン)」をクリックして、写真の動かしたい部分に「モーション矢印」をつけていきます。動かしたい方向に矢印をドラッグすることで、動きの速さや大きさを変更することが可能です。※説明だと難しいものの、矢印の方向に画面が動くと考えてもらうとわかりやすいでしょう。
4. 動かしたいポイントが確定したら、「アンカーポイント」で動かす範囲を囲っていきます。※ここでアンカーポイントを使っておかないと、画像全体が動いてしまうため範囲固定のためにかならず行ってください。
5. 画面左にある「マーカー」アイコンを選択すると、静止部分を「マスク」で塗りつぶせます。動く範囲をさらに詳細に設定する際には、マスクブラシや境界線のぼかし具合を調整しましょう。
6. 一連の操作が終わったら、画面左下にある「再生」ボタンをクリックしてプレビュー画面を確認します。
7. アニメーションに問題がなければ、操作は完了です。この時点で指定した範囲が変な場合、アニメーションの効果部分がおかしい場合には最初の工程に戻ってはじめからやりなおしましょう。
プレビュー画面から問題なければ、シネマグラフ動画への書き出しをおこないます。
1. 画面左下にある「出力」をクリックして、出力画面を開きます。
2. 出力画面を開くと、さまざまなサービスに最適化されたファイル形式が表示されます。任意の形式に合わせたものを選択するか、手動にて選択してください。
※任意でファイル形式を変更可能です。SNSに載せる場合は上記のSNSアイコンから、プリセットを選んで選択した方が確実となります。
3.画像サイズには豊富な種類が用意されています。
PhotoMirageを利用することで、どんな静止画でもきれいなアニメーションを作れます。しかし写真の解像度に依存するため、シネマグラフを作成する場合は「高画質な静止画像」を準備しておいた方がよいでしょう。まただれでも簡単にアニメーションが作れる分、オリジナリティを出しにくい部分もあります。よりアイディアを出していく必要性もあります。
PhotoMirageは、一見デメリットのないアプリにみえます。しかしシンプルで高性能だからこそのデメリットがいくつか存在するのです。
GIFアニメであれば複数の静止画を組み合わせて作るので、「編集による劣化」がほとんどありません。しかしPhotoMirageによるアニメーション作成では、静止画と動画の境目が非常に劣化しやすいのです。解像度や画像の品質によっては「見るに耐えない」映像になることもあります。高品質で幻想的なアニメーションを作るためには、高解像できれいな画像を準備しておく必要があります。できるだけ高解像度で情報量の多い画像がおすすめです。
シンプルな操作性であるが故に、「オリジナリティ」を作るのが非常に困難です。できないわけではありませんが、直感的に操作していくのは難しいでしょう。PhotoMirageはあくまで「シンプル操作で作れるシネマグラフアプリ」と、割り切っておく必要があります。高精度なシネマグラフを作るならIllustratorや、Photoshopを利用しましょう。
これは仕方のないことですが、PhotoMirageではシネマグラフしか作れません。価格もリーズナブルで頻繁にセールも行っているため、低価格で購入できるメリットはあります。しかしシネマグラフ以外の用途はあまりないため、汎用性は低いといえるでしょう。明確に「シネマグラフを作りたい」という目標がないのであれば、購入するべきではないかもしれません。
今回の記事ではシネマグラフを簡単に作成できるアプリ「PhotoMirage」について、詳しく解説いたしました。最後にいくつかのデメリットをあげていきました。「シネマグラフを簡単に作るアプリ」としては非常に優秀で、これ以上にコスパの高いツールはありません。またシンプル操作ではあるものの品質は非常に高く、使いこなすことでプロクオリティのアニメーションを作れます。PhotoMirageを使ってさまざまな勉強をしてみましょう。