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YouTubeやニコニコ動画など、私たちの身近にはたくさんの動画サイトがあります。また、最近ではTikTokやInstagramのような短い動画を投稿できるSNSも出てきました。撮ったデータを編集して、綺麗な状態で保存したり投稿したりしたいですよね。この記事では、動画の「ビットレート」を調整することで、より高画質高音質な動画に編集する方法をまとめました。ぜひ最後までご覧ください。
ビットレートは動画の1秒間で送受信できるデータ量のことを指す言葉です。単位はbps(bit per second)を使用します。動画におけるビットレートは、映像と音声それぞれあるため、2つを合わせたものをオーバルビットレート(総ビットレート)と呼びます。つまり、オーバルビットレートが動画全体のビットレートということになります。動画のビットレートを知りたい場合は、動画ファイルのプロパティを見るとすぐに分かります。プロパティは動画ファイルを選択し、右クリックすると確認ができます。プロパティの詳細タブの中に、ビデオ(映像)のビットレートとオーディオ(音声)のビットレート、オーバルビットレートのそれぞれが書かれています。例えば、下の画像の動画の場合は、「映像のビットレートが3760kbps、音声のビットレートが158kbps、オーバルビットレートが3918kbps」となります。
映像のビットレートは高くすればするほど、画質のよい映像になります。映像は、たくさんの画像が連続的に表示されることで、動いているように見える仕組みになっています。そして、画像は、ピクセルという色のついた小さな点が集まっていて、私たちはそれを一つの画像として認識しています。ビットレートを高くするということは、ピクセルの色を正確に細かく表すことを示すため、よりくっきりとした画像となり、鮮明で画質のよい映像になります。反対に、ビットレートを低くすると、ピクセルの色が曖昧になるため、ぼやけたような映像になります。
音声のビットレートは高くすればするほど、音質のよい音声になります。音声のビットレートは、どれくらいの間隔で音を録るのか、1つの間隔あたりにどれくらいのデータを保存するのかによって決まります。間隔を狭めれば狭めるほど、細かく音の変化をとらえることができるため、音質のよい音声になります。また、1つの間隔あたりに保存するデータ量を多くすればするほど、先程とらえた音の変化をより多く保存することができます。つまり、音声のビットレートを高くすることで、細かくとらえた音の変化をたくさん保存できるようになるため、音質のよい音声になるのです。
先程、ビットレートを高くすればするほど、映像も音声もより鮮明で高い画質、音質のものになると説明しました。「それなら全部のビットレートを高くしたらよいのでは?」と思う方もいるかと思います。実はそれは間違いです。なぜかというと、ビットレートを高くするということは、たくさんの情報を一度に一気に送っているということになるからです。例えば、データを送信する側のPCや回線が10Mbpsのデータ量にも対応しているとします。受信する側が10Mbpsのデータ量を受け取ることができる回線だったら問題ありませんが、それよりも低いデータ量にしか対応できない回線だった場合は受信することができません。また、ビットレートが高いデータは再生する際、PC自体にも負荷が掛かってしまいます。そのため、本来のビットレートの高画質高音質なパフォーマンスを発揮できない場合もあり、映像カクカクしてしまったり、音が飛んでしまったりする不具合が起きやすくなってしまいます。つまり、ビットレートは高くすればするほどよいものではなく、その動画や受信側に合うよう設定する必要があるのです。
YouTubeの公式ヘルプページ「YouTubeヘルプ」に、おすすめのビットレート設定が記載されています。以下、YouTubeヘルプからの引用です。
SDR動画をアップロードする際におすすめの映像ビットレート
タイプ |
映像ビットレート、標準フレームレート(24、25、30) |
映像ビットレート、高フレームレート(48、50、60) |
2160p(4K) |
35~45Mbps |
53~68Mbps |
1440p(2K) |
16Mbps |
24Mbps |
1080p |
8Mbps |
12Mbps |
720p |
5Mbps |
7.5Mbps |
480p |
2.5Mbps |
4Mbps |
360p |
1Mbps |
1.5Mbps |
HDR動画をアップロードする際の推奨映像ビットレート
タイプ |
映像ビットレート、標準フレームレート(24、25、30) |
映像ビットレート、高フレームレート(48、50、60) |
2160p(4K) |
44~56Mbps |
66~85Mbps |
1440p(2K) |
20Mbps |
30Mbps |
1080p |
10Mbps |
15Mbps |
720p |
6.5Mbps |
9.5Mbps |
480p |
サポート対象外 |
サポート対象外 |
360p |
サポート対象外 |
サポート対象外 |
アップロードする動画の推奨音声ビットレート
タイプ |
音声ビットレート |
モノラル |
128kbps |
ステレオ |
384kbps |
5.1 |
512kbps |
ニコニコ動画の公式ヘルプページ「ニコニコヘルプ」に推奨動画形式が掲載されています。以下、ニコニコヘルプ(https://qa.nicovideo.jp/faq/show/5685?site_domain=default)からの引用です。
投稿する動画の解像度に対する推奨フォーマット
解像度 |
推奨映像ビットレート |
フルHD画質(1080p) |
12Mbps以上 |
高画質(720p) |
6Mbps以上 |
中画質(480p) |
2Mbps以上 |
適切なビットレートに設定することで、ストレスなく動画を視聴することができます。アップロードする動画サイトによっては、自動で動画を圧縮してデータを軽くしてくれるものもあります。しかし、自分で撮影したものを誰かに送ったり、保存したりする場合には、自分で調整を行ってデータを軽くしなければなりません。そこで今回は、動画変換ソフト「AnyMP4 動画変換 究極」を使用した、動画のビットレートを調整する方法を紹介します。
「AnyMP4 動画変換 究極」は、4K/2K UHDと1080p、720p、480pのHD動画を様々な形式の4K、1080p動画に変換することができるソフトです。WindowsにもMacにも対応しており、70倍の速度で変換することができます。また、動画の形式変換以外にも、DVDをMPGに変換する、MVを作成する、DVDムービーを編集する、動画の画質を強化する、動画や写真のコラージュを作る、2Dを3Dに変換するといった、様々なことができ、非常に多機能です。1ヵ月3,960円と永久ライセンス7,980円の2つから選んで購入することができます。お試しで使いたい場合は、無料体験も可能です。使える機能数に制限がありますが、動画のビットレートを調整できる機能は使用できます。しかし、動画の本数に制限がついているので、たくさんの動画の調整を行いたい場合は、有料版を購入することをおすすめします。
1.ブラウザで「AnyMP4 動画変換 究極」と検索し、無料体験版をインストールします。登録画面が出てきますが、登録しなくても機能は使えるので、未登録のまま進んで大丈夫です。
2.インストールできたら、この画面が表示されます。左上の「ファイルを追加」をクリックし、ビットレートの調整を行いたい動画を追加します。
3.動画が追加できたら、このような画面になります。
4.動画が表示されているところの右端の「MP4」というところをクリックすると、このような画面が出てきます。自分が変換したい動画形式があれば選択してください。この画面では「オリジナル保持」が選択されています。選択出来たら、右端の歯車マークをクリックします。
5.歯車マークをクリックするとこのような画面が出てきます。映像のビットレートを調整したい場合は、画面の通りにビデオのビットレートの▼をクリックすると、好きなビットレートに変更することができます。このソフトでは、900、1000、1200、1500、2000、2500、3000、4000、6000kbpsから選択することができます。
6.音声のビットレートを調整したい場合は、画面の通りにオーディオのビットレートの▼をクリックすると、好きなビットレートに変更することができます。そのソフトでは、96、128、192、256、320kbpsから選択することができます。
今回は、ビットレートとは何か、またビットレートを調整して高画質高音質な動画にする方法をまとめました。ビットレートは高ければ高いほどくっきりはっきりとした動画になりますが、データ量が多くなってしまうため、再生する際に負荷がかかってしまったり、受信先がデータを受け取れなかったりする可能性があります。その点に注意して、綺麗な動画を作り上げてください。