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ゲームのプレイ映像をネット上に公開できる「配信ソフト」には様々な種類があります。そして、その中でも一番人気があるのが「OBS Studio(オービーエススタジオ)」です。しかし、OBS Studioは様々な機能が搭載されている分、初めて配信ソフトを使う人にとっては操作が少しわかりづらい時があります。今回はそんな初心者の方でもわかるように、OBS Studioの使い方を画像付きでわかりやすく解説します。
OBS Studioは無料で利用できて、ゲーム配信だけでなく、雑談配信やお絵かき配信などにも使用できる非常に多機能なソフトです。また、OBS Studioを使えば、Youtubeやニコニコ動画、ツイキャス、Discord(ディスコード)など非常に多くのサービスで配信を行うことができます。
さらに、「自分のゲームプレイの様子を後から動画で振り返りたい」などの目的で、配信をせずにパソコン画面の録画だけを行うこともできます。
※今回はMacでの操作方法を解説します。Windowsパソコンの場合は一部操作が異なる場合があります。
1.以下のリンクを開き、「ダウンロード インストーラ」という青いボタンを押してOBS Studioをダウンロードします。
https://obsproject.com/ja/download
2.ダウンロードしたファイルを開きインストーラーの画面指示に従ってインストールをすれば完了です。
OBS Studioの初期設定は、始めに「音声以外の設定」と「ソースの追加」を行い、最後に「音声の設定」を行います。※音声は専用アプリのインストールが必要なためまずは以下の手順で「音声以外の設定」を行います。
1.OBS Studioを開いて画面右下の「設定」をクリックします。
2.「一般」をクリックします。「配信を開始するときに確認ダイアログを表示する」の部分にチェックを入れると、誤って配信ボタンを押してしまった時に配信が開始されてしまうのを防ぐことができます。また、「配信時に自動的に録画」の部分にチェックを入れると、配信と同時に録画が始まるようになります。
※パソコンへの負荷が大きくなるので、配信画面や録画映像が上手く表示されない場合は、この部分にはチェックを入れないようにしましょう。
3.「配信」をクリックします。「サービス」の部分はデフォルトでは「Twitch(ツイッチ)」というAmazonが提供するライブ配信サービスが選択されています。
一例として、Youtube Liveで配信したい場合は、下図のように「サービス」をRTMPSに、「サーバー」を「Primary Youtube ingest server(legacy RTMP)」に変更します。
今回はDiscordというチャットサービスを使ってOBS Studioの画面を配信するのですが、サービス一覧の中にDiscordはないため、「サービス」の部分は「カスタム」に変更しておきます。
4.「出力」をクリックします。「出力モード」を「詳細」に変更し、「配信」の各項目を以下のように変更します。
5.「録画」の各項目を以下のように変更します。
6.「音声」の各項目を以下のように変更します。
7.「リプレイバッファ」の各項目を以下のように変更します。
8.「音声」の項目はスキップして、「映像」の各項目を以下のように変更します。
9.「ホットキー」の各項目を以下のように設定します。※この項目を設定することで、キーボードの「M」を押すとOBS Studioの音声をミュート、ミュート解除できるようになります。
10. 「詳細設定」の各項目を以下のように設定します。これで音声以外の設定は完了です。
次にソースの追加について解説します。配信をする際に閲覧者の画面に表示させたい映像は、ゲーム画面、デスクトップ全体の画面、ホームページの画面、パソコンに付いているカメラの画面など、用途に応じて様々なものがあり、この対象画面のことを「ソース」と呼びます。
ソースの追加方法は以下の通りです。まずは自分のパソコンに保存してある画像を見せる場合の操作をご紹介します。
1.以下のように画面の下側にある「+」の部分をクリックし、「画像」を選択します。
2.ソースに任意の名前をつけてOKを押します。(今回、ソース名は「画像」のまま進めます)
3.画像のプロパティというダイアログが開くので、「参照」からパソコン内の画像を選択して「OK」を押します。
4.画像の縁にある赤い線をマウスでドラッグして、OBS Studioの画面内に収まるように調整したら完了です。
5.次に、「+」をクリックしてソース選択画面で「ウインドウキャプチャ」を選び、以下のようにGoogle Chromeの画面を選択して「OK」を押します。 これで、Google Chrome上で配信したいゲームをプレイすればその画面を配信することができるようになります。
6.以下のように、追加したウインドウキャプチャのソースも配置やサイズを調整することで、先程の写真を見せながらゲーム画面も見せることができるようになります。このようにソース追加後は、ご自身でお好みの画面に調整してみてください。
これでソースの追加は完了です。しかし、この状態ではゲーム内で流れている音声や、実況などのためにマイクに向けて話している声が配信できません。次に、これらの音声を配信するための設定をご紹介します。
パソコンで鳴っている音声をOBS Studioを使って配信する場合は、「Background Music」というアプリをインストールする必要があります。操作手順は以下の通りです。
1.以下のリンクにアクセスし、画面の真ん中辺りにある「Download」の中の「BackgroundMusic-0.3.2.pkg」をクリックしダウンロードします。
https://obsproject.com/ja/downloadhttps://github.com/kyleneideck/BackgroundMusic
2.ダウンロード後画面の指示に従ってインストールします。
3.OBS Studioを開いて画面右下の「設定」をクリックし、「マイク音声」を自分の声を入力するデバイス(今回はMacbookProのマイク)に、マイク音声2を「Background Music」に変更して「OK」を押します。
4.画面下部にある「音声ミキサー」の「マイク2」の右側にある歯車のアイコンをクリックし、「オーディオの詳細プロパティ」を選択します。
5.以下のように、マイク、マイク2の両方とも「音声モニタリング」を「モニターオフ」から「モニターと出力」に変更します。モニターとは実際に配信した時にどのように音が聞こえるかを確認するための機能です。
6.「マイク」の右側にある「トラック」の1にチェック入れ、「マイク2」の右側にある「トラック」の2にチェックを入れます。最後に両方とも「トラック」の6にチェックを入れておきます。※上図参照
7.試しにモニター機能を使ってみましょう。今回は例として、先程ソースとして追加したGoogle Chrome上でApex(エイペックス)というゲームのトレーラー映像を流してみます。その状態でマイクに向かってしゃべりながら、ヘッドホンから聞こえる音を確認します。
トレーラー映像の音よりマイクの音が大きすぎると感じたら、「マイク」のボリューム(上側の赤枠の部分)を下げます。逆にトレーラー映像の音の方が大きすぎると感じたら「マイク2」のボリューム(下側の赤枠の部分)を下げます。
これで音声の設定は完了です。今回はトレーラー映像でテストを行いましたが、実際にゲーム配信を行う時は、Google Chromeでプレイしたいゲームを起動して、同じようにマイクとゲーム音声のバランスを調整すれば大丈夫です。
Discordはアメリカ発のチャットサービスで、特にゲーム配信に特化しています。大人数でゲームの画面を共有しながら、音声通話機能を利用してプレイしているゲームについての会話を楽しむことができます。Windows、macOS、Android、iOS、Webブラウザなど、様々な環境で使うことができ、動作も安定しているのが特徴です。
ちなみに、Discord自体にゲームのプレイ画面を共有する機能はあるのですが、OBS Studioで様々なカスタマイズを施した状態の画面をDiscord上に表示させることで、よりクオリティの高い配信を行うことができます。今回は、前述の2ソースを追加したOBS Studioの画面をDiscord上で配信(画面共有)する方法を解説します。
操作手順は以下の通りです。
1.以下のURLからDiscordをダウンロード後、インストールします。
2.アカウントを新規作成します。画面に従ってメールアドレスなどを入力するだけで完了します。
3.自分に合ったサーバー(グループのようなもの)を見つけて、そのサーバーに入ります。※サーバーを探す際には、「ディスボード」と呼ばれる、様々なDiscordのサーバーが紹介されている掲示板を使うと便利です。
ディスボードのURL:https://disboard.org/ja
また、すでにお友達が特定のサーバーに入っている場合、招待用のURLを教えてもらうことでそのサーバーに入ることもできますので、自分に合った方法を選んでください。
4.サーバーに入ったら、画面を共有したいボイスチャットをクリックして参加します。
5.OBS Studioを開き、プレビュー画面を右クリックします。「全画面プロジェクター(プレビュー)」という項目を選択し、右隣に表示される項目の中から全画面表示したいディスプレイを選択します。※下図のぼかしが入っている部分に、お使いのディスプレイの型番などが表示されますのでそれを選択すれば大丈夫です。
6.OBS Studioの映像が画面全体に表示されたことを確認します。※右クリックして「閉じる」を選択すれば元に戻ります。
7.再度Discordに戻り、「画面共有」を選択します。(ウインドウを小さくしていると以下のように単に「画面」と表示されます)
8.いくつか候補となるウインドウが表示されますが、以下のように「全画面プロジェクター(プレビュー)」を選択し、右下の「Go Live」をクリックします。これで同じボイスチャットに参加している人全員に、自分のOBS Studioの画面を見せながら通話を行うことができます。
配信についての解説は以上です。
操作手順は以下の通りです。
1. 画面の右下にある「録画開始」をクリックして録画をスタートします。同じ箇所が「録画終了」に変わるので、任意のタイミングで「録画終了」をクリックして録画を終了します。
2.設定で指定した録画データの保存先フォルダを開き、問題なく録画ファイルが再生できれば完了となります。
録画についての解説は以上です。
今回はOBS Studioの概要と使い方について解説しました。 OBS Studioは非常に多くの機能や設定項目があるため始めのうちは操作に戸惑うかもしれませんが、実際に各設定を弄りながら使用していく中で思い通り使いこなせるようになっていきます。OBS Studioの使い方を早く覚えて、ライブ配信や録画で積極的に活用できるといいですね。