リモートワークやリモート授業がすっかりお馴染みとなった今、音声読み上げソフトの需要が高まっています。研修動画や学習動画、YouTube動画などのナレーションはもちろん、資料の聞き流しなど幅広いシーンで活躍しています。今回は、「音声読み上げソフトを使ってみたいけど、どれを選べばいいのか分からない」という方にぜひオススメのサービス「音読さん」をご紹介します。
読み上げ可能な文字数などの制限がありますが、無料でも様々な機能を利用することができます。また、読み上げ可能文字数に応じて様々な有料プランも用意されています。まずは無料で試してみて、必要であれば有料プランを検討するのがいいでしょう。
「音読さん」はウェブサイト上で音声読み上げしてくれるサービスですので、インターネット接続があればすぐにご利用いただけます。インストールの必要がないので、「ちょっと試してみたいのにわざわざソフトを入れるのは面倒」や「ソフトをインストールすること自体が不安」という方もお気軽にお試しいただけます。
無料の音声読み上げソフトといえば、いかにも機械のように抑揚がバラバラで聞き取れないことも多いかと思います。しかし「音読さん」の場合、イントネーションの違和感がかなり少なく全体的に驚くほどなめらかで聞きやすい印象です。
また、読み上げ精度が高いというところも「音読さん」の魅力です。今回、無料プランで利用できる最大読み上げ文字数5,000文字を様々な文章で試してみましたが、例えば「大さじ」を「だいさじ」と読み上げるといった誤変換がほぼなく、ストレスなく利用することができました。
「音読さん」が読み上げできるのは日本語だけではありません。英語だけでも4種類、他にも中国語・フランス語・スペイン語・イタリア語など全30以上の言語に対応しています。
音声の種類はロボットや男性・女性など8種類から選ぶことができます(2021年11月22日時点)。また音声の高低や読み上げの速度なども細かく調整できるので、用途に合わせて最適な音声で読み上げることが可能です。
2021年1月のアップデートにより、画像ファイルからの読み上げ機能が追加されました。画像ファイルをアップロードするだけで、画像の中にある全ての文字を認識して読み上げてくれます。無料でこの機能が利用できるサービスは珍しいので、これだけでも「音読さん」をオススメする大きなポイントとなります。読まなければいけない資料も、写真を撮ってアップロードするだけで家事や好きなことをしながら聞き流すことができます。
公式HPより、各プランの概要をまとめてみました。(2021年11月22日時点)
フリー |
ライト |
ベーシック |
バリュー |
プレミアム |
|
価格 |
無料 |
無料 |
¥980 |
¥1,980 |
¥2,980 |
読み上げ可能文字数/月 |
1,000 |
5,000 |
200,000 |
450,000 |
1,000,000 |
画像枚数/月 |
3枚 |
5枚 |
300枚 |
1000枚 |
2500枚 |
ダウンロード |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
音読履歴閲覧 |
× |
○ |
○ |
○ |
○ |
履歴保存期間 |
- |
30日 |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
クレジット表記 |
必要 |
必要 |
不要 |
不要 |
不要 |
無料プランは「フリー」と「ライト」の2種類です。ライトプランは無料会員登録をすることで利用することができます。
<ライトプラン(無料会員登録)になるとできること>
このように、ライトプランにするだけでも様々な機能が使えるようになりますので、まずは無料会員登録をして試してみるのがオススメです。
1. ウェブサイト右上の「無料登録」をクリックします。メールアドレスとパスワードを入力し、利用規約を読んだ上で「利用規約に同意する」にチェックを入れ、「無料登録」ボタンをクリックします。
2. 「仮登録が完了しました」と表示され、登録したアドレスにメールが届きます。
届いたメールに記載されているURLをクリックすると「音読さん」にログインされ、本登録が完了します。
無料プランを利用する際はクレジット表記が必須となります。YouTubeのナレーションや動画作成に利用したら、「音読さん」を利用したということが分かるように明確に記載しましょう。
無料プランを利用しているにも関わらずクレジット表記をしていない場合は利用規約違反となり、利用停止やアカウント凍結などの対応がなされるのでご注意ください。そのため、留守番電話や音声ガイダンスなどクレジット表記ができないものに利用する場合は、有料プランへの加入が必須となっています。
基本的な使い方はとても簡単です。「音読さん」のウェブサイトを少し下にスクロールするとテキストボックスがあります。そこに読み上げてほしい文章を手打ちで入力するか、コピペしてください。
音声の種類や速度を調整します。音声の種類は8種類から選ぶことができます(日本語音声の場合)。「ロボット」や「音声アシスタント」をはじめ、男性・女性の様々な音声が揃っています。また、音声の速度は×0.3から×4まで、高低は-20から+20まで調整できるため、かなり柔軟に自分好みの音声に合わせることができます。読み上げボタンを押すと音声が再生されます。
ここで注意したいのが、月間の読み上げ可能文字数についてです。自分好みの音声に調整するため何度も読み上げ再生していると、その月の読み上げ可能文字数をどんどん消費してしまいます。
「音読さん」の公式ブログのページ上ですべての日本語音声の試し聞きができますので、音声設定の前にそちらで聞き比べてお好みの音声を見つけるのがオススメです。「音読さん 試し聞き」で検索すると公式ブログの試し聞きページが見つかります。
YouTubeのナレーション用の原稿を読み上げてみました。結果として、すべての文字が誤認識なく読み上げられました。抑揚やイントネーションもかなり自然で、スムーズに聞き取ることができました。
「音読さん」と同じくウェブサイト上で無料で利用できる音声読み上げサービスで同じ文章を読み上げてみたところ、「ok」の発音が詰まったり、「人参」が「ひとさん」、「大さじ」が「だいさじ」というように誤変換されて読み上げられました。ここからも「音読さん」は音声読み上げサービスの中でも特に読み上げ精度が高いことが分かります。
読み上げボタンを押して音声を読み上げたら、ダウンロードボタンが現れます。ボタンをクリックするとmp3の音声ファイルがダウンロードされます。
またライトプラン以上で利用できる音読履歴からはWAV形式でのダウンロードも可能です。
テキストボックスの上の「画像」をクリックすると、テキストボックスの代わりに画像を選択するボックスが現れます。ここに画像をドラッグするか、「画像を選択」ボタンをクリックして画像をアップロードします。
画像が表示されたら、音声の設定をしましょう。ここで設定を忘れて一度読み上げてしまうと、その分の読み上げ可能文字数を消費してしまうのでご注意ください。すべての設定を完了し、「読み上げ」ボタンをクリックすると文字の読み込みが開始されます。今回は新聞の記事で試してみました。
読み込みは数秒で完了し、テキストボックスに認識された文章が反映されて読み上げが開始されます。画像から文字を読み上げる場合、文字認識の精度は100%ではありません。今回は2か所の誤字がありました。
自分で聞き流す用であればそんなに気にならない程度ですが、動画のナレーションなどに利用する場合はここでテキストを訂正する必要があります。その場合、訂正後にもう一度読み上げ可能文字数を消費してしまうので、そこが少し残念な点ではあります。
しかしながら、どんな資料も写真を撮るだけで簡単に聞き流すことができるので、文字を読むのが苦手という方にはとても便利な機能です。ちなみに、縦読みの新聞でも問題なく文字の読み上げが可能です。
Google Chromeのブラウザを使用している方は、拡張機能を追加するだけで簡単にウェブページの文章を読み上げることができます。Chromeのウェブストアで「音読さん」を検索し、拡張機能を追加します。「Chromeに追加」をクリックします。
確認のポップアップが出るので「拡張機能を追加」をクリックします。
「音読さん」がChromeに追加されましたと表示されたら完了です。
アクセストークンを設定します。これは拡張機能に「音読さん」のアカウントを紐づけるための作業です。まずアドレスバーの右のヘッドホンマークをクリックし、「トークン設定」をクリックします。
「※アクセストークンを取得・詳細設定」をクリックします。
ログイン画面が出るので、メールアドレスとパスワードを入力して「ログイン」をクリックします。
少し下にスクロールすると拡張画面の項目にアクセストークンが表示されているので、文字列をコピーします。
アクセストークンの設定ページに戻り、コピーしたアクセストークンを貼り付けます。「保存」をクリックして「保存しました。」が表示されたら完了です。
ウェブページの読み上げたい部分を選択し、右上のヘッドホンマークをクリックします。これだけで自動的に読み上げが開始されます。この際の読み上げ文字数も月間の読み上げ可能文字数にカウントされます。
今回は、無料読み上げサービス「音読さん」の特徴や使い方をご紹介しました。「音読さん」は操作が簡単で読み上げのクオリティーも高く、さらに機能も充実しているということがお分かりいただけたと思います。また、「音読さん」は2020年5月にリリースされたばかりの新しいサービスです。音声の種類や新機能など随時アップデートされていますので、更なる利便性の向上が期待できます。