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YouTubeやニコニコ動画といった動画ストリーミングが主流となった今、だれもが動画編集ソフトを利用するようになりました。しかし動画ソフトはプロ向けのものから、初心者向けのものまで多種多様です。「どれを買ったらよいかわからない」状況に陥ってしまいがちでしょう。
そこで今回ご紹介するのがプロのクリエイターも利用している「VEGAS Pro」です。プロ用といっても、初心者お断りというわけではありません。だれでも使える優しい設計になっているため、初心者の方にもおすすめのソフトです。今回はこの「VEGAS Pro」の魅力と使い方をご紹介していきましょう。
VEGAS Proはソースネクスト社が出しているプロ用動画編集ソフトです。元祖VEGASは1999年にSonic Foundry社が開発した「オーディオ編集ソフト」で、動画編集機能は搭載されていませんでした。その後2003年にSony Creative Software社が会社を買収し、ソニー製品との互換性や先進技術が投入されます。
そして2016年にはドイツメーカーであるMAGIX社が買収し、日本販売・サポートをソースネクストが行うようになりました。VEGASシリーズには三つのラインナップがあり、現在は「VEGAS Edit」「VEGAS Pro」「VEGAS Post」の三つが販売されています(付属されているソフトの種類が違う)。
VEGAS Proはプロ用動画編集ソフトなので、プロが利用する編集機能はもちろん、高度な編集も可能になっています。ここではVEGAS Proならではの特徴をまとめていきましょう。
VEGAS Proは元々オーディオ編集ソフトだったために、一般的な動画編集ソフトよりも高度な音声編集が可能となっています。ミキシングコンソール画面などは、さまざまな編集が可能です。「DAW」と動画編集ソフトを組み合わせたような操作感を得られます。
プロ用ソフトは難しい用語や操作を強いられるものもあるため、理解するまで難しいというデメリットがあります。しかしVEGAS Proはそういった問題がなく、初心者の方や動画編集をしたことのない人でも直感的に利用が可能です。動画編集ソフトが面倒だと感じる人は、VEGAS Proを使ってみるとよいかもしれません。
処理方法が独特で、無駄なコードが少ないため低スペックのPCでも快適な動作が期待できます。最近の動画編集ソフトのようなスタイリッシュさはないものの、シンプルかつ柔軟な設計のおかげで高負荷な作業でも安定して動作します。premierProやDacinci Resolveと比べると、軽快な動作が期待できるでしょう。
VEGAS Proには以下のソフトが同封されています。
ソフトの役割をわけることによって、シンプルなインターフェイスと軽快な動作を実現しています。「SOUND FORGE Audio Studio 15」は、プロ用のマスタリングにも使える「SOUND FORGEシリーズ」と同じエンジンを使用しているのです。動画だけでなく、本格的な音楽の編集も可能です。
1. VEGAS Proシリーズには無料版が無いため、インストールする際は購入している必要があります。
https://www.sourcenext.com/product/vegas/vegaspro/?i=vegas_blandにアクセスして「VEGAS Proシリーズ」を購入しましょう。
1. 「VEGAS Pro」を購入したら、ソースネクストのページにアクセスし、「マイページ」から購入したソフトをダウンロードします。
2. ダウンロードページに移動し、「ダウンロード」をクリックして、「VEGAS Pro」をダウンロードします。
3. ダウンロードした実行ファイルをダブルクリックして、「解凍」をクリックします。
4. 解凍が終わったら、ファイル内にある「インストールする.exe」をダブルクリックしてインストールランチャーを開き、「VEGAS Pro XX」をクリックします。※XXはバージョン
5. インストールウィザードが開いたら「次へ」を選択して、「ソフトウェア使用許諾契約書およびプライバシーポリシーの内容に同意する」チェックを入れ、「次へ」をクリックします。
6. アイコンを作成する場合は「デスクトップアイコンの追加」にチェックを入れて「インストール」をクリックします。
7. インストールが終了したら「完了」をクリックして終了します。※インストールできない・起動しないなどのトラブルが起きた場合、以下の条件であれば返金対応可能です。
ここではトリミングやカットなどの簡単な使い方をご紹介します。まずは動画ファイルをタイムラインに追加してみましょう。
1. VEGAS Proを立ち上げ、画面左上の「メディアインポート」をクリックして、動画ファイルを選択しましょう。
2. 動画ファイルをインポートすると「プロジェクトメディア」画面にインポートした動画サムネイルが表示されます。
3. タイムラインに追加したい動画をクリックして、タイムラインにドラッグ&ドロップしてください。
4. 動画を追加すると、タイムラインに動画が表示されます。
次はタイムラインの動画ファイルサイズを変更する方法を解説します。
1. タイムライン右下にある「+」を押して、動画を拡大させます。
2. 「+」を何度も押すことで、動画ファイルを拡大できます(動画ファイルを拡大するだけで、引き伸ばせるわけではありません)。
1. 同じく画面右下にある「-」ボタンを押すことで動画ファイルを縮小することができます。反対に拡大したい場合は、「+」をクリックしてみましょう。
動画編集の基本である、分割カットの方法を解説します。トリミングカットに関しては直感的に行えるので、ここでは割愛します。
1. タイムライン上にある動画の、再生位置を分割したいところに合わせましょう(下記参照)。
2. タイムライン下部にある「分割」アイコンをクリックして、動画を分割させます。
3. 成功していれば、黒い線のところでクリップが分割しています。
1. タイムライン上に2本以上の動画を追加します(同一上のタブに動画を追加してください)。
2. 任意の動画ファイルをクリックしながら移動させます。
3. この操作によって動画クリップの入れ替えや、再生位置の変更が可能です。
タイムラインで編集した動画を、1本の動画ファイルとして書き出してみましょう。
1. トップ画面左上のメニューから「ファイル」→「名前を付けてレンダリング」をクリックします。
2. 出力ウィンドウが表示されるので、任意の保存先を設定し、出力方式を選んで「レンダリング」をクリックします。
※出力形式は、元データと同じかそれ以下で設定してください。特にフレームレートと解像度に注意です(FHD動画の場合はそれ以下の動画、30fpsの動画ならそれ以下のフレームレート)。
3. レンダリングが100%になったら完了です。
動画編集だけでなく、写真を使ったスライドショーの作成も簡単です。写真をタイムラインに並べて、トランジションを使いながら音楽を配置するだけで完成します。
VEGAS Proはオーディオ編集から派生していることもあり、動画の編集にオートメーションのような機能を付属しています。動画の再生速度を任意の位置で変更できるベロシティカーブは、DAWを使っている人なら馴染み深いでしょう。こういったアプローチはVEGAS Proならではと言えます。
通常イベントが重なってしまっても、処理を行うことはありません。しかしVEGAS Proは自動でクロスフェードをかけてくれるのです。トランジションをかけなくても、それなりの動画を勝手に作ってくれます。ただし細かい編集をしたい人には煩わしい機能になるかもしれません。
スローモーションを使うと、フレーム数によっては動画がカクカクになってしまいます。しかしVEGAS Proでは、独自の技術で撮影時のフレームレートに関係なく、滑らかなスローモーションを作ってくれます。30fpsの動画でスローモーションを作っても滑らかになるのです。この機能は非常に強力で、他の動画編集ソフトにはありません。この機能のためだけにVEGAS Proを使用してもよいかもしれません。
今回の記事ではVEGAS Proについて、詳しく解説いたしました。プロ用動画編集ソフトとしては異色の存在で、癖はあるものの、「VEGAS Proにしかない」魅力もあります。気になる方はぜひとも利用してみてください。