目次[閉じる]
かつては音楽の音源はCDを購入するなどしてCDを手に入れ、音楽を聴くことが主流でした。しかし、ここ近年で音楽をデータで手に入れる、もしくはストリーミングサイトでデータを持つこともなく音楽を聴くことが主流となりつつあります。そんな中、CDを聴く際はCDプレーヤーを使わず、CDをリッピングしてからパソコンやスマホでCDの音楽を聴く方が増えています。
この記事ではCDをスマホに取り込む方法をリッピングは何かという基本的な知識とともに、パソコンを使う方法と使わない方法を紹介します。
リッピング(ripping)とは英語で「はぎ取る」という意味です。CDに記録された音楽のデジタルデータを抽出し、そのままの形もしくはイメージデータにして取り込むか、もしくはパソコンで扱いやすいデータに変換して保存することを意味します。
リッピングすると膨大なデータを光学ディスクやHDDなどに集約することができます。
また、インターネットを介すると音楽ファイルに格納された「タグ」から曲のタイトルやアルバムのアートワークなどの情報も取得することができます。タグを使うことで曲の整理もしやすく、管理しやすくなるというメリットもあります。
レンタルショップや人から借りたCDをリッピングすることは違法じゃないの?と思う方もいるかもしれません。しかし、個人的に楽しむための「私的使用のための複製」であれば違法にはあたりません。
ただし、リッピングしたファイルを他人に譲渡したり、不特定多数がいる場所で再生したりすると違法になるので注意しましょう。
まず、パソコンを使用してCDをスマホに取り込む方法を説明します。
パソコンのドライブにオーディオCDを挿入します。もし、ドライブのないパソコンであれば、USBやWi-Fiで繋げられる外付けドライブを使って接続します。
次に、CDリッピングが可能なメディアプレイヤーアプリを立ち上げます。さまざまなメディアプレイヤーアプリがありますが、AndroidスマホにCDを取り込むならWindows Media Playerを使うことをおすすめします。
iPhoneにCDを取り込むなら、iTunesを使うことをおすすめします。
もしパソコンにWindows Media PlayerもしくはiTunesが無くても、アプリストアから無料でダウンロード、インストールすることができます。
まず、Windows Media Playerを使ってのCD取り込みから説明します。
Windows Media Playerを起動します。起動したらドライブにセットした音楽CDの曲名がウィンドウに表示されるので、「CDの取り込み」をクリックしましょう。(自動再生が表示されていたら「×」をクリックして閉じてください)
もし、曲名がウィンドウに表示されない時は画面左のCDの部分をクリックしてください。
「CDの取り込み」が表示されない時は「>>」をクリックすると出てくるメニューから「CDの取り込み」をクリックしてください。
「取り込みオプション」と表示されるので、「取り込んだ音楽にコピー防止を追加しない」をクリックします。
「CDから取り込む音楽が米国および各国の著作権法ならびに国際条約で保護されていること、および取り込んだ者自身が、それを適切に使用する上での全ての責任を追うことを理解している(U)」と書いてあるチェックボックスにチェックを入れ、「OK」をクリックします。
「取り込みの状態」が「取り込んでいます」と表示されます。完了までしばらく待ちます。
次に、iTunesを使ってのCD取り込みを説明します。
iTunesを起動します。ドライブにセットしたCDの「曲リスト」が曲のタイトル、アーティストともに画面に表示されるので、画面右上の「読み込み」をクリックして下さい。取り込みしたくない曲は曲リスト内のチェックを外すと取り込みません。
曲リストが表示されない場合はiTunes画面左上のライブラリよりCDを選びます。パソコンがインターネットにつながっていない時は曲名が「トラック01」のように表示されます。インターネットにつながった時にトラック名を取得したい曲を選び、右クリックで「トラック名を取得」を選びます。複数の曲を選んだ時は「複数の項目のCDDB情報を取得してもよろしいですか?」とメッセージが表示されるので、「OK」をクリックしてください。
手書きで曲名などの情報を入力するときは曲をクリックして選択し、曲名、アーティスト名、アルバム名をクリック、入力したい曲名、アーティスト名、アルバム名を入力します。入力が終わったら、キーボードの「Enter」を押すか画面の余白をクリックすると完了です。
最後に、パソコンとスマホをUSBケーブルでつなぎ、取り込んだ音楽ファイルをスマホに転送します。
Androidスマホへの転送は、まずパソコンのエクスプローラーを起動、転送する音楽ファイルを選び、スマホでは「Music」フォルダを開き、選んだファイルをドラッグ&ドロップすると転送を開始します。スマホのプレイヤーアプリに音楽ファイルが表示されれば転送完了です。
iPhoneの場合、パソコンではiTunesを起動してiPhoneの同期設定画面を表示させ、「ミュージックを同期」にチェックし、「適用」をクリックするとコピーがスタートします。iPhoneの「ミュージック」アプリのライブラリに音楽ファイルが表示されていれば転送完了です。
① 外付けドライブをMacに接続する
MacBookとiMacなどは近年のモデルではほぼディスクドライブの搭載がありません。Mac対応の外付けドライブを用意して接続して下さい。
② Apple Music App(ミュージック)の設定を確認する
次に、Apple Music App(ミュージック)の設定を確認し、CDをセットすると自動で読み込みが開始されるようにします。
Mac画面左上に「ミュージック」メニューより「環境設定」をクリックします。「一般」タブの「CDがセットされたとき」を「読み込み」に変えます。自動で読み込みしない場合には「CDの読み込みを確認」に設定すると読み込み前に確認画面が出ます。
③ CDをドライブにセットし、読み込みを開始する
CDをセットして自動で読み込みを開始するように設定していたら、ドライブにCDを入れると自動で読み込みが開始されるので、しばらく待ちます。
自動で読み込みしないように設定しているならミュージックアプリから自動的に出てくる「CDの検索結果」から該当するタイトルを選び、「OK」をクリック、「CDをミュージックライブラリに読み込みますか?」と表示されるので、「はい」をクリックすると音楽の読み込みをスタートします。
④ スマホに転送する
MacとスマホをUSBケーブルやWi-Fiでつなぎ、Macに取り込んだ音楽ファイルをスマホに転送します。
Androidスマホへの転送は、Mac側が「Android File Transfer」アプリをインストールしまければなりません。その後スマホと MacをUSBでつなぐと「Android File Transfer」アプリが自動的に起動します。転送したい音楽ファイルをアプリ画面にドラッグ&ドロップすると転送が開始します。あとはスマホの音楽再生アプリを開き、転送ができたか確認しましょう。
iPhoneへの転送は、Mac側のFinderにデバイス名が表示されるので、ボタンバーから「ミュージック」を選び、「ミュージックを“デバイス名と同期”」にチェック。同期したい曲やアーティスト名を選び、「適用」をクリックすると同期をスタートします。完了したらiPhoneの「ミュージック」アプリに曲が表示されているか確認しましょう。
パソコンとスマホをケーブルで接続するのではなく、クラウドサービスでとりこんだCDの音楽データをスマホにダウンロードする方法があります。
おすすめのクラウドサービスには以下のようなものがあります。
OneDriveはWindowsで使えるオンラインストレージサービスです。音楽だけではなく写真や動画などさまざまなデータをオンライン上で保存できます。Microsoftアカウントさえあれば無料で使用でき、ファイルを共有すればパソコンやスマホなどでファイルの閲覧や編集、削除ができます。
Dropboxは音楽やファイル、写真などのデータを2GBまで無料で保存することができるオンラインストレージサービスです。Windows、Mac、Linuxに対応し、AndoroidやiPhoneで使えるモバイル版アプリもあります。共有フォルダを使って双方向のデータ共有、共有リンクやDropbox Transferで一方通行のファイル共有が可能です。
パソコンを使用しないで音楽CDをスマホに取り込むには、スマホに接続できるCDドライブを使います。ここからはおすすめのCDドライブを紹介します。
I-O DATAの「CDレコ5」はスマホとWi-Fiで接続することで音楽CDを自由にスマホに取り込みことができるスマホ用CDレコーダーです。スマホに「CDレコミュージック」アプリをインストールすればすぐに使うことができます。高速で安定したWi-Fi環境であれば60分のCDにかかるスマホへの取り込み時間は約4分です。
iPhoneなどのiOS端末やAndroidoスマホのほか、ウォークマン「NWA-100シリーズ」「NW-ZX500シリーズ」にもCDの音楽を取り込むことができます。使っている端末がCDレコ5で利用できるかどうかはCDレコミュージックアプリの「対応情報」から確認可能です。CDを取り込む際にはCDレコミュージックアプリで保存する音質を5段階から選択できます。ロスレス圧縮であればCDの音質をそのままに損なうことなくスマホに取り込めます。取り込み時にはCDのタイトルや曲名、アートワークなどを自動で取得できます。
CDレコミュージックアプリは音楽CDの取り込みだけでなく、プレーヤーとしても機能します。お気に入りの曲を好きな順番で再生できるプレイリストの作成や、アーティスト・ムード・ジャンル・ジェネレーションの4つの自動再生、歌うタイミングで色が変わる歌詞機能など多くの便利な機能がそろっています。また、取り込んだ音楽CDだけではなく、iTunesなどの音楽も一緒に再生できます。
BUFFALOの「ラクレコ」はAndroidやiPhone に音楽CDを簡単に取り込めるCDレコーダーです。無料アプリ「ラクレコ」で音楽CDの取り込みや取り込んだ音楽を楽しめます。
ケーブルでスマホとつなぐケーブルモデルとWi-FiでつなぐWi-Fiモデルの2種類が用意されています。お好みの接続方法に合わせてお選びください。
音楽CD1枚にかかる取り込み時間は5分以下です。もちろん、CDのタイトルや曲名、アートワークなども自動で取得できます。再生機能もつうじょうさいせいのほか、リピート、シャッフル再生や最近取り込んだ曲の再生、流行りのノンストップMIX CDなど曲のつなぎ目を気にすることなくスムーズに再生できます。
以上、CDをスマホに取り込む方法を基本的な知識とともに、パソコンを使う方法と使わない方法を紹介しました。
好きな音楽の音源をデータで所有し、再生することが多くなった昨今ですが、ものによってはCDしかない音源もありますし、好きなアーティストのCDを手元に置いておく楽しみ方もあります。この記事で紹介したような方法を参考に、お気に入りのCDをCDプレーヤーで再生するだけでなく、CDの音楽をスマホで気軽に楽しんでいただけたらと思います。