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テレビで録画した番組をDVDにダビングしたにもかかわらず、パソコンで見られなかったこともあるでしょう。それは日本が独自で設けている、「CPRM」という著作権保護技術によるものです。今回はCPRMに対応した再生ソフトを紹介します。無料で使えるものもあるので、お困りの方は参考にしてみてください。
CPRMは、「Content Protection for Recordable Media」の、頭文字を取った略称です。簡単に言えば、不正なコピーを防ぐための保護技術になります。
デジタル放送されているテレビ番組の中には、「コピーワンス」がついているものがあります。コピーワンスとは、録画の回数を1回までに制限する制御方法です。これがついている場合、CPRMに対応したDVDでないとダビングができません。
さらにダビングが完了した後は、「1回しか録画できない」という制限のもと、テレビレコーダー側から番組が消去されてしまいます。この保護技術はガードが固く、もしDVD間でデータを複製しようとしても、識別番号で管理されているため再生できないのです。
現在CPRMに対応しているDVDは録画用DVD-RAM、録画用DVD-RW・CPRM対応DVD-Rです。Blu-ray Discの場合は、AACSという別の保護がかかっています。
CPRMに対応したDVDでダビングしても、パソコンで再生ができないことがあります。その場合再生に必要な項目をチェックすることで、原因を把握できるのです。詳しく解説していくので、順番に確認していきましょう。
CPRMのDVDを再生するには、ディスクを読みこむDVDドライブも対応している必要があります。持っているDVDドライブがCPRM対応かどうか、まず確認してみましょう。型番やメーカーが分かっている場合は、検索をかけてCPRMに対応しているか確認しましょう。メーカーによっては、型番ごとに対応状態を掲載しているものもあります。
型番が分からない場合は、デバイスマネージャーを開きます。デバイスマネージャーは「設定」→「デバイスマネージャー」で検索をかけると項目が出てくるので、クリックしてください。開いたら「DVD/CD-ROMドライブ」という部分を確認すると、ドライブの名称が分かります。
それが分からなければ、「Nero Info Tool」というフリーソフトを使用することで、DVDドライブの性能を調べられます。自分が楽だと思う方法で確認してみてください。
DVDドライブがCPRMに対応しているのに再生できない場合、ソフト側に問題があることが多いのです。CPRMはドライブと再生ソフトの両方が対応していないと、再生できません。
フリーソフトのマルチメディアプレイヤーなどを使用している場合は、対応していない可能性が高いでしょう。一度「再生ソフト名+CPRM」で検索してみてください。対応しているかどうかが分かるでしょう。この記事で紹介している再生ソフトは、すべてCPRMに対応しています。参考に新しい再生ソフトを入手しましょう。
DVDドライブと再生ソフトを揃えても再生できない場合、原因としてファイナライズされていないことが考えられます。しかしこれはDVD-Rに限った話です。それ以外のディスクを使っている場合は、ディスクの破損やドライブの故障などを疑ってみてください。
DVD-Rの場合、レコーダーからダビングをしただけでは他の機器で再生できません。再生するには、レコーダー側でファイナライズという処理が必要になります。ただし一度ファイナライズをすると、追加の書き込みができなくなるので注意してください。
結論から言えば、CPRMに対応している完全無料の再生ソフトはありません。CPRMに対応するには許諾料が必要なため、無料配布できるものではないからです。しかし一部無料なものもあるので、有料・無料を問わずに紹介していきます。
Leawo Blu-ray Playerは、Leawo Softwareから提供されているソフトです。一番の特徴は、CPRMに対応していながら無料な点です。さきほどほとんど無料のソフトはないとお伝えしました。しかしLeawo Blu-ray Playerであれば、無料で利用できます。
ソフトを起動してディスクを読みこむだけなので、使い方も非常に簡単になっています。再生リストを表示したり、字幕を設定したりすることも可能です。オーディオ・ビデオの設定もそれぞれできるので、再生をするには困りません。
有料のプレミアム版では広告がなくなったり、様々な国のリージョンコードを気にせずに再生したりできます。しかしCPRMのDVDを再生するだけであれば、不要です。このソフトであれば、無料で使い続けられるのでおすすめといえるでしょう。WinDVD Pro 12
WinDVD Pro 12は、Corelというソフトウェア会社から発売されている、有料の再生ソフトです。DVDだけでなくBlu-ray Discにも対応しています。
WinDVDシリーズはDVDドライブ付きのパソコンを購入すると、特典でついてくることがあります。持っている方も多いかもしれません。昔からDVDドライブの付属ソフトウェアとしても提供されているため、ウィルスなどの心配をすることなく利用できます。全世界で3億本以上売れている、有名再生ソフトです。
WinDVD Pro 12では機能が向上し、4Kやハイレベルのサウンドに対応するようになりました。NVIDIA グラフィック カードを使用していれば、3Dモードで再生も可能です。また標準画質のDVDをHD画質に向上してくれる、アップスケーリングシステムも搭載しています。補正機能などもあるので、映像を綺麗に見たい方にはメリットです。
無料の体験版もありますが、CPRMなどの保護がかかったディスクには対応していません。ほかのディスクであれば再生ができます。ストアによっては割引をしていることが多いので、正規の値段より安く購入できることが多いでしょう。安全性や高画質などの機能を重視したい方におすすめです。
PowerDVDはCyberLinkから発売されている、有料再生ソフトです。対応している機能ごとに異なるパッケージで発売されていて、最も安価な「PowerDVD 21 Standard」が4,800円で購入できます。StandardだとBlu-ray Discの再生はできませんが、CPRMのDVD再生には対応しています。再生だけできればよい方は、Standardがおすすめです。
最もグレードの高い「PowerDVD 21 Ultra」になると、超高画質の8K動画再生が可能になります。さらにChromecast等を使用したテレビ転送機能や、360度VRモードなど様々な機能を使えます。高性能な再生ソフトを求めている方でも満足できる機能の豊富さなので、気になる方は確認してみてください。
PowerDVDも、一部メーカーのDVDドライブ付属ソフトとして提供されています。そのため品質や安全性が十分に確保されているソフトだといえるでしょう。無料体験版もありますが、CPRMなどの保護がかかったディスク再生には対応していません。体験版で使用感を確かめて、納得できれば購入するのがおすすめです。
4Videosoft Blu-ray Playerは、4Videosoft Studioから発売されている有料再生ソフトです。DVD/ Blu-ray Disc両方に対応していて、CPRM対応ディスクも再生可能です。
ほとんどすべてのディスクを再生できるため、ディスクごとに再生ソフトを変える必要がありません。画面のデザインもシンプルなので、迷うことなく使用できます。価格も他社と比べると安価なので、手を取りやすいソフトになっています。公式サイトでは割引を行っていることが多いので、タイミングが合えばさらにお得に購入できるかもしれません。
Enjoy DVDは、有料のDVD再生ソフトです。発売元はソースネクスト株式会社という、日本の企業になっています。「ZEROウィルスセキュリティ」や「筆王」などの、有名ソフトを多数販売している会社です。安心して利用できるでしょう。2015年から6年連続で家電量販店の、販売本数1位を獲得している人気ソフトでもあります。
CPRMにも対応していることが明記されているので、購入してからうまく再生できないこともありません。HDMIケーブルを使えばテレビで映像を見られます。
しかし一部の環境では、音のみで映像が出ないことがあるようです。その場合は動作環境欄に書かれている内容と、自分のPC環境が合っているかを確認してみてください。特にディスプレイの接続がデジタルでない場合は、映像が出ないことがあります。環境にさえ合っていれば、安価で使用できる再生ソフトです。機能もシンプルなので、再生だけできればいい方には適したソフトでしょう。
料金:3,060円/月 5,980円/永久ライセンス
対応OS:Windows XP/7/8/10/11 Mac OS Ⅹ 10.6以降
AnyMP4 Blu-ray Playerは、AnyMP4から発売されている有料再生ソフトです。DVD/ Blu-ray Discどちらでも再生が可能で、CPRMにも対応しています。映像だけでなくオーディオファイルの再生もできる、マルチメディアプレイヤーです。再生以外の機能などもついているため少し高めになっていますが、公式ストアでは定期的にセールも行っています。
ここまでCPRMに対応した再生ソフトを紹介してきました。しかし有料のものが多く、なかなか手を出しづらいという方も多いでしょう。そこでCPRMのDVDを再生する方法を他にも紹介します。しかしCPRMの解除は法律に抵触するおそれがあるので、推奨していません。
外付けのDVDドライブは、有名メーカーからも安価で発売されています。CPRMに対応した再生ソフトがついているものもあるので、ソフトを単体で購入するより安く済むことがあります。メーカーが発売しているものなら動作も安定しているソフトが多いため、買ってみて動かなかったという事態も起こりにくいでしょう。
インターネット上には、CPRMを解除するフリーソフトもあります。無料で使えるなら、解除してしまえばお金をかけないで済むと思う方もいるでしょう。しかし2012年の著作権法改正によって、個人の私用目的でもコピー防止機能を解除して、パソコンに取り込むことは違法となっています。使用には責任が追えませんので、こちらの方法はおすすめできません。
作品の著作権を守るために、日本では様々な保護技術や規制が設けられています。再生機能をつけるには許諾料がかかるため、メーカーが無料で提供することはありません。そのため原則として、CPRMのDVDを再生するにはお金がかかると考えてよいでしょう。
しかし一方で、CPRMに対応するDVDドライブを購入していれば、再生ソフトが付属していることもあります。パソコン購入時にDVDドライブやソフトウェアがついてくるタイプであれば、インストールされていることも多いのです。まずは一度確認をしてみてください。